その強い視線に、惹かれた。







＋今日と明日と＋







屋上から見える景色は、太陽に照らされて輝いていた。

小さくまとまっている彼らの中から、１つ離れていく物がある。

カザマツリだ、と思った。

先日行われた武蔵森戦で足を怪我したらしい。

ねぇ、良いね。サッカーが出来て。


そんな事を思っていると、同じクラスの水野君と目があった。

距離があるはずなのに、気のせいだとは思えなかった。




−来いよ

　そんな所にいないで

　ここに来て、サッカーをしようぜ




真っ直ぐ私の方を見て。

そこからじゃ、太陽の光で上を向くのもきつい筈なのに。

ただその想いをぶつけて。

昔の目と、私が見続けてきた彼と違う目で。




私が彼の誘いを受けたのはそれから２日後。




それから私達は、隣同士の道を歩いてきた。

時には離れて。でもまた近づいて。







意識が浮上したら、柔らかな光が目に入った。

それとキッチンで動く人の気配。

枕代わりにされたクッションと、掛けられているタオルケットに顔が緩んでいく。

体を起こすとキッチンにいる人が気付いた様だ。

「目、覚めたか？」

「あー……、うん。」

「そんなトコで寝てたら風邪引くぞ。」

仮にもスポーツ選手が、とぼやきながらも暖かい湯気が立ったマグカップを差し出してくれる。

礼を言って受け取って。

「…良い夢見たわ。」

「ん？」

自然に隣に座ってくれる、その距離がすごい幸せって言ったらあなたはどんな顔をするかしら。

言わないけどね。

「昔の夢。」

そう言うと分かってくれた様にあぁ、と頷いてくれる。

「そう言えばお前っていっつもこっち睨んでたよなぁ。」

「人聞きの悪い事言わないでよ！」

「事実だろ？」

「……それを言うならあんただってナンパだったわよ、あれは！！」

「ひ、人聞きの悪い事言うな！」

「事実でしょ？」




そこまで言って、顔を見合わせて笑って。




この幸せが続けば良いなと思った。

有希ちゃんB.D.企画後編。…これで完結ですからね！

『今日と明日と』はそのまんまの意味じゃなくて…現在と未来って感じの意味です。


最後はやっちゃった未来パラレル（笑。

森内さんはこういうの大好きです。

んー、でもこの２人って結婚遅いか早いか微妙です。

つまり引退した後かできちゃったか…（痛。


とにかく誕生日おめでとう、小島嬢。










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