俺があいつらの前から消えて4年が経つ
あいつらは今でも、サッカーを続けている
+ 消えた夏 サイド:一馬 +
その日は肌寒い1日だった。
それは、一種の賭けだったのかも知れない。
海を見て、帰りたくなるか。
2人が側にいて、帰りたくなくなるか
親父から電話があったのは、1ヶ月前だった。
話を聞くと、母さんが死んだらしい。
交通事故。
あぁ、親父は、まだ、母さんが好きだったんだ?
捨てられて、それでもまだ、好きなんだ?
俺は?
大事な人に捨てられたら?
ヘイキ?
2人がいつまでも俺の側に、いてくれる?
「英士ー! 一馬ー!」
結人が向こうで手を振っている。
「行こう?」
英士が、俺の少し前を歩く。
母さんとの、僅かな思い出がよみがえる。
母さんが、読んでくれた本。
『人は、死んだら海に帰るのよ』
『だから、離ればなれになっても、海に帰れば会えるの』
母さん。
母さんは死ぬ直前、誰を思った?
俺は、どうすれば良い?
あいつらは俺が居なくなっても、サッカーを続けている。
俺は、ここで2人を見守っている。
−中書き−
行方不明者の、直前の思考回路は混乱しているものです(失礼←しているのは私)。
一馬編。
好きですよ?かじゅま。
次は結人編です。
…実は結人人格掴み切れておりません;;
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