あいつが俺達の前から消えて4年が経つ
俺達は、今もサッカーを続けている
+ 消えた夏 サイド:結人 +
一馬が消えて2日後。
一馬は、見つかっていない。
一馬のおじさんは日本に帰ってきて、一馬を捜している。
ユースのチームメイトも、監督も。
なぁ、一馬。みんなお前の事、見かけだけでも、心配してるよ?
俺達は海に来ていた。
何も喋らず、俺達は浜辺を歩く。
英士は、こないだとは違う手袋をしていた。
「英士、こないだの手袋は?」
「一馬が持って行った」
「そう」
俺と英士には分かっていた。
一馬は、帰ってこない。
「俺達、一馬の鎖にはなれなかったな」
「そうだね」
いつも、いつか、消えそうだった一馬。
傷ついて来た分、他人を受け入れなかった一馬。
…俺達でさえ、一馬は受け入れなかった。
俺達の携帯には、メールが1通保存されている。
一馬からの、最後のメール。
『ごめん
お前らと居られて、楽しかった
これからも、ガンバレ』
なぁ、一馬。
英士のパスを生かせるのはお前だけだろ?
俺が英士に渡したボールを生かすのは、お前だろ?
たいしたハンデだよな。
俺達は実力を出しきれなくなるのか?
「世界、目指そうな」
「あぁ、一馬がそれを望んでるんだ」
一馬が消えて4年が経つ。
俺達はサッカーを続けている。
−後書き−
終わった…。しかし、
暗っっっっっ!!!
しかも訳分かんないしね。
補足として。
1:3人は高校生です。2年生位の時期。
2:タイトルの『夏』は一馬の事です。理由は…わかるよね?
3:意味が分からない所は雰囲気で読みとってください(死)。
何かU-14で暗い話を書きたかったんです。
んで、よそ様では、英士や結人がいなくなる事が多い様なので、うちは一馬で行こうと。
しかし、HP1作目がこんなに暗くて良いのでしょうか?
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