+Wind+





今日はロッサの練習が無くて。
何だか物足りなかったので、ボール片手に家を出た。
向かう先はいつもの公園。
…と言っても、今は夜の11時で。
人影なんか無くて。
街灯の明かりが、辺りを照らしてした。

ポン、ポン、と規則正しくボールが跳ねる音がする。
その音が辺りに響いて。
まるで世界に自分しか居ない様で。
そこに寂しさは感じない筈だった。

サッカーの基本はボールに慣れること。
そう教えてくれた従兄弟は、今はJリーグで活躍する有名選手だ。
兄の様に慕っていて、ポジションはMFながらもFWなみの攻撃力を持つ彼は今でも有名選手だ。

もう何回続けたか分からないリフティングをいい加減に止め。
ベンチに置いてあったタオルで汗を拭う。

















…ふと、無性に泣きたくなった






何でか分からないけど。






家には1人で。
学校での1人の行動にも慣れて。
たった1人の生活。

でも大切な人達が出来て。
3人でいる事に慣れてしまった。











駄目だ駄目だ駄目だダメダだめだ





いつまでも一緒にいられる気なのか?
そんな事不可能なのに











頭の中はどんどんマイナス思考になって。
そう言えば頭痛もしてきて吐き気も出てきたな、と自嘲気味に笑う。
視界がぼやけてくるのをタオルで押さえて。
ガンガンする頭と、ぼやけている視界の端に。
親友達の姿を見つけて。
あぁ、幻覚までみえちゃってるよ、やばいなぁ、コレ。






そこで意識は途切れた。















































「大体ねぇ! 風邪引いてりゃ頭痛もするし吐き気もするし考えもマイナス思考になるの!!」
「………ゴメン」
「ゴメンで済んだら警察は用無しだ!」
ベッドの中で、冷えピタを額に貼った一馬がバツの悪い顔をする。
そんな顔につい許しそうになるが、そこを堪えて結人は言葉を続ける。
「一馬はいっつもそうだろ!? 風邪を引いたらいい加減自分で自覚しろ!! そんなんだから外でぶっ倒れる事になるんだぞ!!」
「結人、とりあえずそこでストップして」
部屋に入ってきた英士が結人を止める。
「一馬、お粥食べれる? と言うか食べなよ? 薬飲めないから」
いや、それ聞いてる意味ないし。
そう思いながらも、一馬もとりあえず反抗してみる。
「食欲な」
「食べなよ」
い…と続けようとしたが、英士の裏のありそうな笑顔で止められた。
「熱は? はかった?」
そう言われて、結人に説教されていた間、ずっと脇に挟んであった体温計を差し出す。
「37.5度。明日1日ゆっくり寝てれば大丈夫だね」
「まったく…。まぁ、明日1日俺様達が手厚く看護してやろう」
何だか2人の言ってる事が気になって。
ふと、カレンダーの方に目をやる。
「…なぁ、明日学校だよな」
「あぁ? もうぼけたのかバカズマ。明日は木曜だぞ。ちなみにロッサの練習は2日続けて休みだ」
「違うよ結人。熱でボーッとしているだけだよね。それに正確には今日になってるよ」
「人の話を聞け! …学校あるよな?」
「何? 一馬学校行く気?」
英士と結人の目が光る。…恐いです逃げたいですでもここは俺の部屋逃げられません。
「明日は絶対安静だよ? 分かってるよね、そこの所は」
「違う! お前ら学校は?」
2人の鞄はどう見ても学校に行く量ではなかったし。
答えは聞きたく無かったけど、俺は2人を見上げた(だってベッドに寝てるから視界が低い)。
2人もちょっとお互いの目を合わせた後。
笑顔で。
「「創立記念日」」
「んな訳あるかぁ!! 学校行け!!!!」






俺の叫びは聞き入れて貰えず。
結局1日中2人の手厚い看護を受ける羽目になった。






今は、1人じゃない。
そして、これからも。






そう思ったら何だか嬉しくて、涙が出た。







+あとがき+
これ、最初は結人視点だったって事に誰が気付くでしょう?
いや、途中まで書いて、2人に怒鳴られている一馬が出て来て。
なら一馬で行きましょうvvと会議できまりました(笑)。
作中の従兄弟にはモデルがいます、漫画のキャラだけど。
分かった方お友達になりましょう!








  Back









本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース