出会いは必然だった。
そんな言葉でくくれる関係なんかじゃない。
あたしは、そう思いたい。
『IF』
「…僕は貴方と出会わなければ」
神崎は佳乃と銀杏並木を歩いていた。
佳乃の夏休みのバカ多いレポートの愚痴の後に、唐突に言われた言葉だった。
一歩後ろを歩いていた神崎は簡単に佳乃を追い越す。
くるりと振り向いた神崎の顔は、
「貴方と出会わなければ、きっとあのままだったろうと、思います」
その「あのまま」だった頃以前には考え付かないもので。
「だから」と続けられた言葉は、
「出会えて、良かった、と、思います」
佳乃の体中に響いて、消えずにいた。
「あたしっ」
神崎から目をそらし、それでも握られたシャツの端。
「…もしもの話は嫌い。今会ってるからいいでしょもう。
…って恥ずかしい事言わすなっ」
ぱっと離された指は、そのまま少年の指にからめ取られた。
「僕も、もしもの話は嫌いですよ」
銀杏は、まだ緑色。
ただただ勢いの駄文ですが。
佳乃ちゃん大好きだ!恋おしビバ!
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