こくはく。 私は今日、告白する。 決めた。 そう、昨日の夜決めた。 なのに、なんで足が動かないんだろう…。 カタカタ、机の下で足が震えてるんだろう…。 私、それはもう(照笑)とか日記に書いちゃいたいほど、恋してるよ。 慌ただしくも、クラス替えがあって、遠足があって。 あっという間にゴールデンウィーク前で。 でも「休み中彼氏ほしいから」とか思ってるからじゃない、のは、分かって下さいよ。 そんな軽い女じゃないし。 彼氏にしたいのは一人だけだし。 ただ、急に思っただけなのですよ。 「明日、好きって告白しよう」 って。 クラスでは同じになった事無いけど、クラブが一緒。 帰る方向が一緒で2人きりで良く話してる男のコ。 私はいつも助けてもらってる…。 でも、いつもいつも甘やかしてもらってる訳じゃない。 ちゃんと、駄目な事をすると、怒ってくれる。 そんなところが。 大好き。 声に出したい。 伝えたい。 もっと、もっと近くに行きたい。 切ないから。 そして、楽になりたいから…? これは、ワガママなのかな、言っても良いのかな・・・。 わがままだよね、ごめんね、でも―――私は私の想いを止められない。 好きって気持ちはわがままで、身勝手で、 さらに相手を想ってないかもしれない。 矛盾してるみたいだけど、きっとそう。 それは相手の気持ちを無視している事だから。 私の事しか考えていないから。 そこまで思い及んで、それから思う。 嫌われるかもしれない。 でも、言う。 決めた。 がばっ! 教室の自分の机から顔を上げる。 もう大丈夫、足も震えていない。 我侭覚悟、嫌われるの覚悟で言う。 それでいいじゃんか。 それぐらいの、覚悟なしの告白じゃありません。 ――――4月の風は思ってたよりも暖かくて、泣けてきた気がした。 まだ泣く時じゃないぞ、私。 勝負は今からだ。 「…ったく、乙女ちっくやってるよ、私」 そう呟きに似た叫びを発したら今度は笑えてきて、元気に教室を後にした。 Back |