best friend
 
  いくらでも甘えさせてあげるのに
  君はそれすらも拒んで
  頑なに前を向いて
  零れ落ちる涙を拭おうともせず
  歯をくいしばり
  手を、自分の爪で傷付けそうなくらい握り締める
 
  そっと差し出したハンカチで
  ごしごしと目をこする君
 
  カタカタと音がした
  風で二人しかいない教室の窓が震えた
 
  カタカタ
  ………君も震えていたんだ
 
  分かった瞬間にやり切れない気持ちになる
  …後ろから抱き締めた
 
  私は、君に、頑張ってほしくないよ―――
 
  「頑張らなきゃ…
   人に甘えてる時間なんかないから…
   自分には、もっと甘えてちゃ駄目なのに…
   泣いてる暇なんかないのに…
   迷惑かけたくないのに…
   こんな後ろ向きな自分嫌なのに…
   でも、頭が勝手に後ろ向きの考えをしちゃうの
   死んじゃいたいんじゃなくて
   今は、生きてたくないよ………」
 
  そう泣き崩れる女の子を、誰が放っておけるんだろう
 
  私まで泣けてきて
  胸がきゅうんってつかまれた風に
  息が、つまる
 
  同じくらい痛いように
  その痛さを思い知らせてやるように
  抱き締めている手に、力を込める
 
  「そんな事、ゆうなぁっ…」
 
  何故私が泣いているか分かる?
  一緒に辛いからだよ
 
  同じ辛さじゃない
  同じ辛さは、私じゃ絶対味わえない
 
  一生懸命そうやっている君だけのもの
  私が分かる筈もない
 
  だから同じように同じ事を悩んでも
  それはきっと意味がない
 
  でも、一緒にいる事は出来るから
  だから、生きてたくないとか
  そんなの、やだよ、ぜったい…
 
  君にその想いは伝わっているの?
  だから泣いているんだよ、私
 
  「でも、やらなきゃいけないの…
   泣いてる場合じゃないし、そんな暇も、ない」
 
 頑張って、ほしくない―――…
 
  「そっか…んじゃ、頑張れ」
 
  ハンカチはすでにぐちょぐちょに濡れている
 
  笑顔の君は私の知っている女の子の中で一番可愛い
 
  一段落ついたら
  また腕とハンカチぐらいは貸してあげるから
 
  一杯泣いて
  一杯話して
  それで、その後…笑って…
 
  「頑張る…よ…
   ありがと…」
 
  無理矢理な笑顔は作らなくていい
  私が見たいのは本物の、心からの笑顔
 
 「あ、私、数学科に呼ばれてるんだ!
    行ってくるね〜!」
 
  「ちゃんと顔洗ってからにしなよ!」
 
  「うん〜!!」
 
  もう遠くに聞こえる君の声
  それとせわしない走る足音
 
  君が忙しいのは重々知っていて
  手助けする事は迷惑とは思ってもないのに
  責任感が強い君は自分だけで行動する
 
 「…何にも任されないっていうのも、辛いよ…?」
 
  忙しさが君を苦しめているなら
  1%でも、半分だっていい
  任せてよ……
 
  いくらでも甘えさせてあげるのに
  君はそれすらも拒んで
 
  こんなに親友が辛い事も知らず
  明日の為、皆の為に走り回る
 
 




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