<精一杯の気持ち>


 自分は恋人になにもしてあげられてない…。
 そう思っただけで白昼泣いた。
 心配かけてるだけ…ホントにそれでいいのかな?
 そう思って、一瞬離れようかと思った。

 けれど、返事はこうでした。


「そんな事、思ってたのか?」
 切なそうな顔…そして痛いくらいに抱きしめられる。

「痛いよぉ…」
 もっと強く抱きしめられて、そして私をのぞき込んだ。

「俺の目、見てみろ?
 俺はこれっぽっちもお前に 何もしてもらってないとか思ってないぞ…。
 一杯、してもらったぞ、んで貰ったモノも一杯あるぞ…。
 俺はお前っていう好きな人からしかもらえない、
 今のこの瞬間一緒にいることとか2人の初めてのキスとか…
 これはお前以外のヤツからもらいようがないぞ…。
 だから。
 そんな風に、何もしてあげられてないとか言うな。」

 思いがけない程の温かい言葉。
 暖かくてもっと涙を誘う、独白めいた言葉。

「っ……だって…それは私が勝手にしてる事だもん…」
 途切れ途切れに泣きながら言う。

「私はっ、君にしてもらってるだけだもん…
 してくれてる方が、絶対多いよ…っ」

「ばーか。」
 つんっとでこぴん。
 ただ、この人のでこぴんは死ぬほど痛い事を知っている。

「じゃあ俺も、俺がやりたくて勝手にしてるだけ!
 それに量とか…関係ないっしょ。おっけ?」

「むー…まだ納得いかな、!」

 唇が押し当てられる。
 私程度が暴れてもびくともしない…強いの。

「俺はお前が好きなの。それ以外は、嫌だからな。」

 不意に囁かれる言の葉。
 何かしてあげるとか、傲慢な態度かもしれない。
 それでも好きな人には…自然に出てくるから こればっかりは仕方ないよね。
 その時の微笑みは、きっと一生忘れない。
 あったかいよ、ねぇ、この気持ちの名前は何だった?


「大好きっ、ありがとう…っ」
 私はその時の精一杯の気持ちを込めて、 首に手を回して、私から、キスをした―――。







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