001.君がすき。

君がすき。
そんな言葉、言う筈もないと思ってた。
君が不安に思ってるとしらなかったから。
君が泣いていると知らなかったから。
ねぇ、君がすきだよ。
「…言わなきゃ分からないよ」
見えた横顔。
それは、歪んだもので。
言うまでもなく伝わっていたと思っていた。
そんなはず、あるわけもないのに。
底抜けに明るい空を殴ってやりたかった。

  言葉に出さなきゃいけない時もあるのです。





002.だってさ?

「あんたなんかに負けたくないのに悔しい」
「真顔でにらまれても。どうすりゃいいんだよ」
「なによ」
「手加減したら余計怒るだろうがお前」
「あら、分かってるじゃない。ということで」
「…嫌な予感」
「もう一回勝負!」
「はぁ…なんだよ帰りてぇ。なんで俺ばっか…」
「んー?だってさ?」
彼女は振り返った。
「あんたのことが好きだからだよ」

 
 関係が変化する瞬間。





003.携帯

「会いたい?」
「会いたい」
「やけに素直ね」
耳の近くで優しく笑う声、それが本物だったらいいのに。
機械越しでもその声はあの人だった。
抱きしめたくて出来なくて。
キスしたくて出来なくて。
どうしようもなくて仕方がないから受話器にそっと口を寄せた。

 
 離れているからこそ会いたい気持ちは募ったり募らなかったり。





004.メモ

「晩御飯はレンジの中」
ただそれだけの言葉。
小学生の僕に晩御飯なんて漢字読めるわけないのに。
辞書をぱたんと閉じるとメモをぴらぴらと遊んだ。
いつものことだが、全く子供のことを考えていない親だ。
レンジの中を覗き込んだ。
あったのはハンバーグで僕は機嫌を直した。

  
ハンバーグは永遠のお子様の大好きメニューだと思うのですが。





005.音楽

引越しの前日、リコーダーを発見した。
右の捨てる箱と、左の持っていく箱が目の前にある。
右か左かと躊躇したが、きっと吹かない。
そこまで思って吹いてみた。
聖者の行進の指使いを迷うことなく動かせた。
確かパートリーダーだったことを思い出す。
トゥーと言いながら、忠実に教科書通りに。
最後まで吹いた後、左の箱に迷わず入れた。

 
 ちいさい頃覚えたものはなかなか忘れないものです。





006.授業中の…

「ねぇねぇ!」
小声で横からささやく声。
今は授業中です。喋っちゃいけません。
「なんだ?」
「放課後体育館前に集合ね、連絡お願い」
授業中のひそひそ話。
退屈な俺たちのちょっとしたスリル。

 
 ちょっとしたことでドキドキ出来た日々は戻ってきません。





007.花鳥風月

「四文字熟語の意味調べ終わった?」
「とりあえず。何、お前やってないん?」
「あははー。昨日おもろいテレビあってな?」
「はいはい。これでええか」
「センキューベリマッチー」
「早く写せよ、腹減った」
「おー。花鳥風月・天地自然の美景。風流」
「声に出さんでええから」
「おー、なぁ、風月って言ったらお好み焼きやな」
「風流が泣くな」
「まぁええやん。帰りは風月寄ってこ」
「お前のオゴリな」

  
…お好み焼きの風月って有名だと思うんですが、やはり地域(大阪)限定でしょうか。





008.コンピュータ

世の中には不思議なものがたっくさんある。
あたしの目下の不思議媒体はこれだ。
コンピュータ。
「お父さん、分かんないよ」
「そういう時こそインターネットだ」
コンピュータを使ってコンピュータについて調べた。
あたしには難しすぎた。
どういう仕組みなんだろう。
調べ物に便利なコンピュータとインターネット。
でもあたしはそれ自体が分からないまま。
不思議。
とりあえず分かっている電源ボタンをあたしは押した。

  
仕組みなんて分からなくても、ある程度は使えるんですが。





009.英語でどうぞ
「俺のこと好きですか?」
「う…す…好き…かな?…っこ、このジュースが!」
「…」
「言わせんな馬鹿変態死んで来い!」
「今日こそ言わせるまで帰しませんよ?俺のこと好きですか?」
「…好き好きすっごい。これでいい!?」
「駄目です。誰が好きか言ってないでしょ」
「なによー!」
「またジュースに逃げられたら敵わないですからね」
「…しつこいー」
「じゃあ英語でどうぞ」
「…………………I love you?」
「良く出来ました。」

 
 バカップル書きたかっただけ。年齢差があると不安要素増しますよねー。





010.シャンプーハット

「かーさん、俺今日から卒業する」
シャンプーハットを握り締めて彼は意気込んでいた。
「シャンプーハットを?どうして?」
「だってあいつ、もうしてないって言うんだ」
あいつとは、昨日から遊びに来ている一つ年上の従兄弟のことだ。
「俺とあいつはライバルだから」
「そう、じゃあお風呂も今日から一人で入れるわね?」
「も、もちろんだ!」
「あら、頼もしい」
母親がくすりと笑ったとき、丁度やかんが沸いた音を出した。

 
 何故こんな題を考えたんだ自分。




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