011.管理

「じゃあこれも頼む」
「分かった。これとこれ買っとけばいいのよね」
「助かる」
「良いわよ。どうせついでだし」
「鍵渡しとく。部費の管理よろしく」
「了解。健康管理よろしく」

  
遠征前のキャプテンとマネージャー。





012.いっしょ

「なんで泣いてるの、あんた」
「泣いてなんかねぇよっ」
「スモッグ汚したから?仲間外れにされたから?」
「ほっとけよブス」
「この幼稚園のアイドルに何言うのよ」
「…どっかいけよ」
「ね、ごはん食べた?」
「…まだだけど」
「じゃあいっしょに食べよう」
「何でだよ」
「いっしょに食べるとおいしいよ」

  
一緒に食べると美味しいねー。知り合いのおばさんの口癖。





013.行こう!

「ラーメン喰いに行こうぜ」
しょっちゅうこう言うこの男がやたらと元気がない。
「どうしたの、あいつ」
「さぁ、振られたんじゃないか?」
「そんなのいつものことでしょう?違う理由よ」
「そっかなぁ」
親友が教室の席を立った。
「ラーメン食べに行こう!」
驚いた顔を見せた男の表情はすぐ変化した。
「おう!」

  
何気に5行目の女の子の発言は酷いと思います。





014.全部

貴方の心が全部欲しいなんて、わがままだって知ってる。
貴方と心が全部繋がれば良いなんて、一時の思いと知っている。
なんでも全部は難しくて。
中途半端にしか生きられない。
だからこそ、貴方に全部を望むのならば。
…貴方にとって良い迷惑なだけだ。

  これも200やり切れるか分からないしね。






015.潜水艦

「潜水艦って怖いねー」
「唐突になんだ」
「いや、これ見てよ」
彼女の手には図書館で借りてきたと思われる本が一冊。
「これこれ。水入ってきたら死ぬよ」
海に関する子供向けのそれに、可愛いイラストが描かれていた。
潜水艦の中に水が入ってくる絵に可愛いはおかしいが。
しかしこの絵は確かに可愛らしいのだ。
「何年か前もヨーロッパの方で沈んだよな」
「危険なことなんてしなきゃいいのに」
「それも一理あるがな、知ってるか?」
雑学をひけらかすのは楽しいものである。
「海は地球で最後の未開地なんだぜ」

  だからトリビアの泉が流行る。






016.粋(いき)な計らい

「せんぱーい、せんぱーい」
「あ、どうしたの?先輩探してるの?」
「うん、部活終わったのに帰ってこないから」
「手伝おうか?」
「うん、お願い。先輩が鍵当番みたいで…」
二人の少女の声が校庭に響く。
二人が先輩を見つけたのはそれから三分後。
「…あ」
「…どうする?」
「メモ残して、帰ろっか」
彼女たちがグラウンドの端で見たものは。
お互いの肩を枕にして寝ている、一組のカップル。

 
 初めて題名が出なかった。





017.ひだまりの中

「あったかー」
「ちょっとこっち寒いんだからもうちょっと向こう行って」
「何よー、ここは私の席なんだから」
「いいじゃないちょっとくらい」
冬空の下、教室。
窓際小さなひだまり争奪戦。

  
時間が経つと机も陽に合わせて移動。





018.ねぇ

ああ、そこは私の机なのです。
どうして貴方が座ってしかも寝こけているのですか。
ええ、分かっています。
それは昨日席替えで貴方は休みで元貴方の席が現私の席になった。
そのことを知らないからですよね。
でもでもあんまりです神様。
学年一不良と言われた彼に話しかけてその席をどけだなんて。
小心者の私に言えるわけないじゃないですか。
ピアスなんかしてるし髪は金色だし制服はきちんと着てないし。
おまけに朝早いから教室には二人だけだし。
「くー…」
…あ、可愛い寝顔…。
じゃなくて!
一瞬見惚れてしまうなんて!
私は、だからたぶん自分自身を誤魔化すために言ったんです。
「…ねぇ」

  
早起きは三文の得〜<ぇ





019.腹痛

痛い。
それはもう腹が痛い。
でも俺にはそんなこと言っちゃ駄目な理由が、
海よりも深く空よりも高い理由があるんだ。
深い理由は聞くが高い理由とは言わないんだろうか?
まぁいい。
それは、この腹痛の原因に関係している。
「先輩っ、昨日のクッキーいかがでしたか!?」
「…あ、ああ、うまかったよ」
「ホントですかぁ?良かったぁ」
「ホントホント」
「わーい、じゃあまた作ってきたんですよ!今度はお弁当!」
「…」
腹を壊してでも食べるべきか、彼女を振ってでも拒絶するべきか。
それが問題だ。

  
最後はかの有名なTo be,or not to be.のパロディのつもり。





020.ふたり

「じゃあ横の人と手を繋いで下さいね」
遠足の日。
先生に言われたとおりにしようとした。
できなかった。
ぼくは背がたかくて、いちばんたかくて、「奇数」だったからだ。
「せんせい、ぼくは?」
「あら、お休みの子がいるからね。じゃあ先生とつなごう」
ひとりよりふたりの方がすきだ。
だって手をつなげる。
「うん!」

  
手を繋ぐ子が好きな子だと嬉しかったなぁー。




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