| 041.アーチ 私が生徒会に入ったきっかけは卒業式のアーチ作りだった。 何だか友人に手伝いに借り出されてそのまま執行部の皆さんと仲良くなって。 いつの間にやら選挙の為に朝礼台に立っていた記憶がある。 毎年使う木で出来た枠に、毎年折り紙や花の模様をあしらう。 そんな単純作業で出来た、でも卒業生の為に作ったアーチ。 それを今、私がくぐっている。 私が作った上に、後輩たちが貼り付けた折り紙のアーチ。 なんだかそのまま学校の歴史みたいな気がして、 卒業式の感傷に浸っている自分を自覚した。 木だったか強い紙だったか…。 042.愛と勇気と希望 なに恥ずかしがってんのさ。 やっぱりこれですよ。 愛は手を繋ぐために。 勇気は前へ進むために。 希望は今を生きるために。 そう、今こそこの三つを主張しなければ。 …なんか…宗教の教えっぽい…(苦笑)。 043.細身 「これも愛なのよ。我慢なさい」 「嫌だ」 「ちょっと、抵抗しないの！」 細身の彼をぐるんと抱き締める。 「せーの。」 よっと声をあげると、易々と彼の足は地上を離れた。 「…軽っ。ちょっと何キロ今！？」 「…言いたくない」 彼女はその身長で羨ましいと言い張る。 が、彼にしてはただのコンプレックスの露呈であるあたり、 彼にとっては救われようがないようである。 白状させた体重−自分の体重と身長差を考えて凹む、と。 044.学校 なんでもある場所。 劇薬もトランペットも工事用のロープもマンガも。 友情も裏切りも恋愛も別れも。 洗濯機もCDもコーヒーも教科書も。 安定も日常も殺伐とした雰囲気も戦いも。 ここは小さな社会と呼ばれる場所。 様々な感情が渦巻く場所。 045.うさぎと餅つき 「日本の考えらしいよ、月でうさぎが餅つきしてるっていうのは」 「ほう」 「中国では餅じゃなくて薬を作ってるらしい」 「ほうほう、漢方を粉にしてるわけか。他の国は？」 「…知らない」 「知ったかぶったな」 「…」 今はただ、うさぎが作ったとのキャッチコピーの月見団子を頬張るだけ。 中国人の人に聞きました。 046.異文化コミュニケーション 異文化、と聞くと、最近の日本人はもう九割英語って思うだろう。 いやいや、皆様。 異文化はアメリカとイギリスだけじゃないですから。 語学だけでも、北京語、広東語、韓国語、アラビア語。 インド語、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語などなどなど。 例のCMに便乗して、他の文化と接してみようと思ったら、 まずそんなことを思ったのでした。 そう思うことからが大切。 047.心の神秘 心って本当に不思議なものだと思う。 そう思うのは私の好きな人が「元・嫌いな人」だという事が大きい。 嫌いだったのになんで好きになっちゃったんだろう。 未だにそのことが不思議で仕方ない。 別に何か優しくしてくれるようになったわけでもないし。 私たちの今までの関係が壊れたりしたわけでもない。 もし心と本当に対話出来るぐらい悟れる人になったら聞いてみたい。 あなたはどうしてあの時気持ちが変わったの？って。 そう思っているのも私の心でやっぱり不思議なものだ。 048.？ 突然で。 その感情はただただ突然で。 君の頭を支配したのはきっとたくさんの「？」。 でも抑え切れなかった衝動は、熱くなった唇からため息となって漏れた。 離れたそこから血液が活性化している。 理性ぷつん？ 049.！ 突然で。 その行動はただただ突然で。 びっくりしてそれだけで私の頭の中には大きな「！」ひとつ。 唇に熱い息がかかって私の唇も熱を帯びた。 お互いの目が、大きく見開いて、お互いを見ている。 48の相手側からで。 050.貴方が私の手をとって。 貴方が私の手をとって。 私がその手をそっとにぎりかえして。 それだけで、身体は幸福にという液体に浸される。 手を、繋ぐ、たった、それだけで。 充たされる。 200index BACK NEXT |